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プロフィール
岩崎綾之
つくば市茎崎在住の社会人。普段の仕事は地元での工場勤務。請負社員やってます。副業としてノベルゲームの原稿書きのアルバイトもやっているけれど、小説形式のRPGというマイナーなジャンルなので知名度はイマイチ。仕事休みの日は映画を観に行ったりカラオケに行ったりすることが多かったけれど、2007年秋から地元の在日難民支援NPOの活動に関わるようになり、今ではそっちの会報の原稿を書いたりすることもあり。2008年10月よりどういうわけか劇団バリリー座に参加し、人手不足から役者を務める羽目に。それがこのブログを立ち上げたそもそものきっかけ。

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Posted by つくばちゃんねるブログ at

2010年07月07日

あの女が帰ってきた~観劇『王女メディア』

牝ライオンよりも怪物スキュラよりも恐ろしい、あの女が帰ってきた~っ!!!!
うぎゃああああああああ~っ!!!!!!!!

劇団新和座 第4回公演 王女メディア
http://www.shinwaza.com/

めでたく千秋楽を迎えたそうで、おめでとうございます。

解説しよう。メディアとはエウリピデス作のギリシヤ悲劇で暴れまくる極悪ヒロイン。クレオン王とその娘を惨殺した挙げ句、自分と英雄イアソンとの間に生まれた2人の子供を殺害し、イアソンを破滅に追いやった最悪の悪女なのだ!!!!

いや~ここまでやってくれちゃってると、かえって爽快っていうか。

調べてみると、実はこのメディアにはモデルとなった実在の人物がいたらしい。古代ギリシアの政争に巻き込まれ、対立者からは蛇蝎のように嫌われて非難され糾弾され、悪女メディアとして後世に伝わったんだとか。怖いものの見たさというか、当時のギリシヤ市民は今でいうホラー映画でも観るような気分で、この劇を観に行ったんだろうか?

ま、それはともかく。

私が観に行ったのは7月2日の金曜日。去年、阿佐ヶ谷の小劇場で観て以来、お気に入りの劇になったので、結局今度も観に行った。

冒頭、乳母のモノローグが始まってすぐに「去年よりも迫力が出たな」と感じた。最悪の悪女、メディアの今に至る有様を乳母が一人で語るのだが、紡ぎだされる言葉に熱気を感じる。情念を感じる。このシーンを観ただけで、「今年のメディアは去年よりも楽しませてくれるな」という手ごたえを感じた。

でも、次のシーンにちょっといただけない場面があって。子守り人がメディアの子供2人を籠に乗せてやってくるシーンなのだが、乳母と話をしようとして、その籠を舞台のはじっこの方に置いてしまう。その籠を置く仕草が、何だか野菜の籠か何かを置くように見えてしまった。2人の子供は人形なのだけれど、劇のポイントとなる大切な存在なのだから、ここは舞台中央にでんと置いて、2人で籠の子供をあやしながら乳母と子守り人に話をさせても良かったように思う。

あら捜しはこのくらいにしておこう。細かい突っ込みどころは色々あるんで、あとで新和座の関係者にメールでも送ってみようと思う。mixiやってる方もいることだし。だけれど、私としてはとても満足した。時間を作って観に行って良かったと思う。来年もまた観たくなる。

で、ここから先は批評ではなく、劇を観ながら思ったことを書きます。

メディアってセリフが凄いですね。

「残されたのは一日。でも、このメディアが復讐を果たすには一日あれば充分。この一日で、花嫁と花婿、そして舅であるクレオン、あなたたち三人まとめて残らずあの世に送り込んでやるわ。どうやって、そう。どうやって、ああ、楽しい、ちょっと考えただけで、両手に余るほどのいくつもの方法が次々に思い浮かぶ。どれでやってみましょうね。ああ、ワクワクする。ねえ、みなさん、わたし本当に迷ってしまいますわ。二人の部屋に火をつけてやりましょうか。それとも寝込みを襲って、鋭い刃を突き立ててやりましょうか。いえ、いえ、そんな馬鹿なことはしないわ。だって、家に忍び込んだりすると、まかり間違って掴まったりしないでもない。掴まって、散々馬鹿にされて、挙げ句の果てには殺されてしまう。そんな危険を冒したりはしないわ。絶対安全で、絶対確実な方法があるの。わたしが一番得意とする方法。それは毒薬。これならもう何度も実証済み。一度もしくじったことなどないわ──」

 「笹部博司の演劇コレクション ギリシャ悲劇編:01 メディア エウリピデス」より

実は去年の初回公演でメディアのファンになって、文庫本で出てたシナリオを買ってしまいました。

いやほんっとに、メディアってセリフが凄いですね。復讐だの、あの世に送るだの、火をつけるだの、寝込みを襲うだの。しかも相等な長ゼリフ。他のセリフの長さもこんな感じで、登場からラストシーンまで延々としゃべり続けるのだから、たいしたものです。メディア役を演じた、ならりえさんに拍手。

劇のクライマックスというと、やはり全てを失ったイアソンと、子供の亡骸を抱えたメディアとが、向かい合って激しい言葉をぶつけ合うあのシーンでしょう。前回の公演と同じように、メディアは客席の階段に立ってイアソンと対峙するんですが、私が座っていた席がちょうど階段側の隻で、ちょうどすぐ隣がメディアの立ち位置になってしまいました。私は座席に座りながらメディア様の御顔を見上げる形になってしまいましたが、遠くから観ても近くで観ても迫力ありますね~。

ちょっと長くなったんで、今回はこのくらいにします。メディアについてはまた何か書くかもしれません。  

Posted by 岩崎綾之 at 17:17Comments(2)演劇