2008年12月11日
水曜日は『イーグル・アイ』を観にシネコンへ
観よう観ようと思っていながら、ずっと機会を逃していた『イーグル・アイ』。今週金曜日までの上映だっていうので、夜勤が明けてから自転車に乗って、片道約40分かかるシネプレックスまで行って観てきた。いや~、イーアスつくばのシネコン、ムービックスつくばがOPENして以来、古くからあるシネプレックスもサービスよくなっちゃったね~。料金はモーニングショーで割引の1200円、しかもカードのポイントが2倍だってさ。でも売店のドリンク、いちばん安いコーラのKサイズ買ったのに、これが300円近くするのは高すぎるぞ。
んで映画の内容。アメリカ映画もすっかり雰囲気変わっちゃったね。映画の冒頭、のっけから対テロ戦争批判ムード。911テロ直後の7年前、「今度は戦争だ!」「テロリストを叩け!」の大合唱に合衆国が飲み込まれ、戦争への批判めいた内容があったマーチン・スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』が公開延期になっちゃったりしたあの頃と比べたら、まるで大違い。合衆国市民の皆様、今じゃ誰もがアフガンにもイラクにも嫌気さしてるんだろね~。でもそこはハリウッド、今ならこういう映画の方が客が入ると見込んで、大金かけて製作したはずだし、このあざとさは昔から変わらんね。思えば「戦争イケイケ!」から「戦争なんか嫌だ!」に業界のムードが変わり始めたのは、マイケル・ムーア監督の『華氏911度』が公開されたあたりか。あの時期を転換点として、その後にスチーブン・ソダーバーグ監督の『シリアナ』、ロバート・レッドフォード監督の『LIONS FOR LAMBS(邦題は『大いなる陰謀』だけど、私は原題の方がしっくりする。映画の主張を見事に表しているし)』といった硬派の作品が合衆国の政策を批判し、今じゃ『アイアンマン』みたいな娯楽大作も対テロ戦争に対する厭戦ムードに乗っかっちゃっている。いちおうポーズとしては。
でもそこは娯楽大作、この映画にしても「対テロ戦争はもううんざりだ!」というムードをうまく利用して、泥沼化するアフガンの戦闘とかITネットワークによる国民の監視とかいった要素を巧みに取り入れてはいるけれど、根幹となる設定がアメリカのSFじゃ使い古されたアレだもん。味付けは今風にしてあっても、「なぜ対テロ戦争は破綻したか」と真面目に問いかけてるわけでもなし。ま~いいか、頭カラッポにして観て楽しめるハリウッド・ムービーも気晴らしには悪くはないし。
ついでに書いておくけど、この映画で驚きだったのは、あの911テロで攻撃されて189人の死者を出したペンタゴン(アメリカ国防総省)が、しっかり映画の中に登場しちゃってること。それもストーリー上、非常に重要な役目を担わされている。おいおいこんな映画にあんな登場のさせ方しちゃっていいの? これが日本の防衛省だったら絶対に許可下りないよ。無人戦闘機だって、とんでもねー使われ方しちゃってるし。でもやっぱり、そこはアメリカだね。映画のパンフによれば、国防総省はこの映画に全面的に協力して、建物上空での空撮まで許可しちゃったらしいけど、この映画なら国民に受けると踏んでるはずだ。「この映画に協力すれば、国防総省も対テロ戦争の現状に憂慮している」というメッセージを国民向けに送ることができると計算してるんだよな、きっと。それはそれで国防総省へのプラスになるし。この映画、ストーリーの表だけをなぞってみれば、アメリカの現実を批判しているようだけれど、よく考えてみればまるで批判になっていない。主人公を陥れる陰謀も、主人公に迫る危機も、過日のハリウッド・ムービーで散々に使われてきたパターンの繰り返し。ま~そこは娯楽大作だからね~。「映画での扱いもこの程度ならばその筋から批判もされず、観客にも受けるし、お金も儲かる」っていうのを、ハリウッドの映画会社はちゃんと計算して作ってるんだ。ま~ったく、昔っからあざとい業界なんだから。つーかハリウッドもアメリカの産軍複合体に組み込まれちゃってる巨大産業なんだし、最新の戦闘機とか空母とかをガシガシだして産軍複合体のために宣伝やってるわけだし、基本的にアメリカの国益に反することはやらんわけだ。
んで映画の内容。アメリカ映画もすっかり雰囲気変わっちゃったね。映画の冒頭、のっけから対テロ戦争批判ムード。911テロ直後の7年前、「今度は戦争だ!」「テロリストを叩け!」の大合唱に合衆国が飲み込まれ、戦争への批判めいた内容があったマーチン・スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』が公開延期になっちゃったりしたあの頃と比べたら、まるで大違い。合衆国市民の皆様、今じゃ誰もがアフガンにもイラクにも嫌気さしてるんだろね~。でもそこはハリウッド、今ならこういう映画の方が客が入ると見込んで、大金かけて製作したはずだし、このあざとさは昔から変わらんね。思えば「戦争イケイケ!」から「戦争なんか嫌だ!」に業界のムードが変わり始めたのは、マイケル・ムーア監督の『華氏911度』が公開されたあたりか。あの時期を転換点として、その後にスチーブン・ソダーバーグ監督の『シリアナ』、ロバート・レッドフォード監督の『LIONS FOR LAMBS(邦題は『大いなる陰謀』だけど、私は原題の方がしっくりする。映画の主張を見事に表しているし)』といった硬派の作品が合衆国の政策を批判し、今じゃ『アイアンマン』みたいな娯楽大作も対テロ戦争に対する厭戦ムードに乗っかっちゃっている。いちおうポーズとしては。
でもそこは娯楽大作、この映画にしても「対テロ戦争はもううんざりだ!」というムードをうまく利用して、泥沼化するアフガンの戦闘とかITネットワークによる国民の監視とかいった要素を巧みに取り入れてはいるけれど、根幹となる設定がアメリカのSFじゃ使い古されたアレだもん。味付けは今風にしてあっても、「なぜ対テロ戦争は破綻したか」と真面目に問いかけてるわけでもなし。ま~いいか、頭カラッポにして観て楽しめるハリウッド・ムービーも気晴らしには悪くはないし。
ついでに書いておくけど、この映画で驚きだったのは、あの911テロで攻撃されて189人の死者を出したペンタゴン(アメリカ国防総省)が、しっかり映画の中に登場しちゃってること。それもストーリー上、非常に重要な役目を担わされている。おいおいこんな映画にあんな登場のさせ方しちゃっていいの? これが日本の防衛省だったら絶対に許可下りないよ。無人戦闘機だって、とんでもねー使われ方しちゃってるし。でもやっぱり、そこはアメリカだね。映画のパンフによれば、国防総省はこの映画に全面的に協力して、建物上空での空撮まで許可しちゃったらしいけど、この映画なら国民に受けると踏んでるはずだ。「この映画に協力すれば、国防総省も対テロ戦争の現状に憂慮している」というメッセージを国民向けに送ることができると計算してるんだよな、きっと。それはそれで国防総省へのプラスになるし。この映画、ストーリーの表だけをなぞってみれば、アメリカの現実を批判しているようだけれど、よく考えてみればまるで批判になっていない。主人公を陥れる陰謀も、主人公に迫る危機も、過日のハリウッド・ムービーで散々に使われてきたパターンの繰り返し。ま~そこは娯楽大作だからね~。「映画での扱いもこの程度ならばその筋から批判もされず、観客にも受けるし、お金も儲かる」っていうのを、ハリウッドの映画会社はちゃんと計算して作ってるんだ。ま~ったく、昔っからあざとい業界なんだから。つーかハリウッドもアメリカの産軍複合体に組み込まれちゃってる巨大産業なんだし、最新の戦闘機とか空母とかをガシガシだして産軍複合体のために宣伝やってるわけだし、基本的にアメリカの国益に反することはやらんわけだ。
Posted by 岩崎綾之 at 12:15│Comments(0)
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