2009年11月17日
職業訓練日記6:「ガイコツがいる~!」
久々の職業訓練日記。
日記に書くのに長いブランクがあったけど、職業訓練校にはきちんと通ってますよ。
実習は毎週のようにあって、車椅子の解除訓練では実際に車椅子に乗って野外で動かしてみたり。
今日、11月17日は天気が良ければ、野外でアイマスクをつけて視覚障害者の介助訓練をやる予定だったんだけど。
生憎の雨で予定を変更。実習室でおむつ交換の訓練になった。
備え付けのベッドを使い、訓練生は順番に介護する役と介護される役をやる。
介護される役をやる時は、実際におむつをつけるんだ。
俺が介護される役の番になった時、ちょうど休み時間になった。
「じゃあ、このままベッドで寝てます」
俺はそのまま、おむつをつけたままベッドで休憩。
気分はもう、寝たきり老人。
いや~、学校じゃ認知症の介護とか麻痺の介護とか色々な事例を勉強するもんで、ついつい自分の老後のことまで心配になっちまう。あとン十年もすれば、もしかしたら、もしかしたら俺も‥‥なぁ。
もしも俺が認知症になったら、相当にうるさく騒ぎそうだ。
「ここどこ~!?」とかぶつぶつ呟いてあっち行ったりこっち行ったり。食堂のテーブルを舞台と間違えて乗っかって、「おかあさ~ん!!」とか「オミソド~!」とか訳のわかんないこと叫んだり。
見えるのはほとんど天井。視線を周りのほうにずらしていくと、ケースに入った骨格標本が見える。
いつもは何気なく見ている骨格標本のガイコツが、寝たきり状態の視線だと、やけに不気味に見える。
そういえば、寝たきり老人が幻覚に悩まされ、いないはずのお化けとか幽霊とか見えるというケースをよく聞くけど‥‥その気持ち、分かる気もするなぁ。
寝たきりで、体を動かせなくて、夜なんか周りに誰もいないと‥‥恐くなるぞ~。
なんて、寝たきりの気分に浸っていると、休憩してきたみんなが戻ってきた。
「ご気分はどうですか?」
って聞かれたから、俺は骨格標本のガイコツを指差して、震える声で、
「そこにガイコツがいる~!」
笑われた。
「もう! ボケが入っちゃって!」
「演劇部だけに演技がうまいよ」
とか何とか言われて。
あ、でも俺が片麻痺介助訓練で介助される役をやると、リアルすぎて介助がやりずらいそうだ。
しっかり体の片側だけ脱力させるから、ぐにゃぐにゃした手や足をすごく支えずらいんだとか。
だけど指導の先生によると、実際に施設に入っている人にはそういうケースも少なくないんだとか。
「では、オムツ交換しますね~」
あ、念のために書いておくけど、オムツの下にはジャージはいてます。俺の班、俺以外は全員女性。介護役の女性の手が俺の腕に触った。ひんやりしてる。
「手、冷たくてごめんなさいね。でも、暖かい」
周りで見てるみんなも面白がって触ってくる。
「ほんと、暖かいわ」
思わず俺はジジイの声で言ってやった。
「おまえら、わしを何だと思っとるんじゃ~! わしは湯タンポじゃないんだぞ~!」
また笑われて、こう言われた。
「口では怒っていても心で嬉しがっている人もいるからね」
いいのかな~。俺、こんなことやってて。
日記に書くのに長いブランクがあったけど、職業訓練校にはきちんと通ってますよ。
実習は毎週のようにあって、車椅子の解除訓練では実際に車椅子に乗って野外で動かしてみたり。
今日、11月17日は天気が良ければ、野外でアイマスクをつけて視覚障害者の介助訓練をやる予定だったんだけど。
生憎の雨で予定を変更。実習室でおむつ交換の訓練になった。
備え付けのベッドを使い、訓練生は順番に介護する役と介護される役をやる。
介護される役をやる時は、実際におむつをつけるんだ。
俺が介護される役の番になった時、ちょうど休み時間になった。
「じゃあ、このままベッドで寝てます」
俺はそのまま、おむつをつけたままベッドで休憩。
気分はもう、寝たきり老人。
いや~、学校じゃ認知症の介護とか麻痺の介護とか色々な事例を勉強するもんで、ついつい自分の老後のことまで心配になっちまう。あとン十年もすれば、もしかしたら、もしかしたら俺も‥‥なぁ。
もしも俺が認知症になったら、相当にうるさく騒ぎそうだ。
「ここどこ~!?」とかぶつぶつ呟いてあっち行ったりこっち行ったり。食堂のテーブルを舞台と間違えて乗っかって、「おかあさ~ん!!」とか「オミソド~!」とか訳のわかんないこと叫んだり。
見えるのはほとんど天井。視線を周りのほうにずらしていくと、ケースに入った骨格標本が見える。
いつもは何気なく見ている骨格標本のガイコツが、寝たきり状態の視線だと、やけに不気味に見える。
そういえば、寝たきり老人が幻覚に悩まされ、いないはずのお化けとか幽霊とか見えるというケースをよく聞くけど‥‥その気持ち、分かる気もするなぁ。
寝たきりで、体を動かせなくて、夜なんか周りに誰もいないと‥‥恐くなるぞ~。
なんて、寝たきりの気分に浸っていると、休憩してきたみんなが戻ってきた。
「ご気分はどうですか?」
って聞かれたから、俺は骨格標本のガイコツを指差して、震える声で、
「そこにガイコツがいる~!」
笑われた。
「もう! ボケが入っちゃって!」
「演劇部だけに演技がうまいよ」
とか何とか言われて。
あ、でも俺が片麻痺介助訓練で介助される役をやると、リアルすぎて介助がやりずらいそうだ。
しっかり体の片側だけ脱力させるから、ぐにゃぐにゃした手や足をすごく支えずらいんだとか。
だけど指導の先生によると、実際に施設に入っている人にはそういうケースも少なくないんだとか。
「では、オムツ交換しますね~」
あ、念のために書いておくけど、オムツの下にはジャージはいてます。俺の班、俺以外は全員女性。介護役の女性の手が俺の腕に触った。ひんやりしてる。
「手、冷たくてごめんなさいね。でも、暖かい」
周りで見てるみんなも面白がって触ってくる。
「ほんと、暖かいわ」
思わず俺はジジイの声で言ってやった。
「おまえら、わしを何だと思っとるんじゃ~! わしは湯タンポじゃないんだぞ~!」
また笑われて、こう言われた。
「口では怒っていても心で嬉しがっている人もいるからね」
いいのかな~。俺、こんなことやってて。