2009年10月25日
《転載8/19》観劇・『クロノス』観てきた
8月14日、第42回水戸市芸術祭・演劇フェスティバル初日。
茨城大学演劇研究会による『クロノス』を観劇。
【あらすじ】
物質を過去に送り出すことができる機械、クロノス・ジョウンター。
吹原は研究員として、この機械の開発に携わっている。
ある日、研究所の近くで火災が発生。死亡者の中には、吹原が密かに思いを寄せていた来美子の名前があった。
【感想】
SFじゃよくありがちなタイムワープ物。この設定見た時、私は以前に見た映画『バタフライ・エフェクト』を思い出した。恋人に待ち受ける悲惨な未来を変えようと、主人公が何度も過去にタイムワープするのだが、そのたびに未来が悪い方向へ進んでしまい、自分の人生もどんどんボロクソになっていく。映画のラストはハッピーエンドと言うにはほろ苦い結末で、「自分が大きな犠牲を払わなければ未来は変えられないのだ」と納得した。この『クロノス』のラストについても同じことがいえる。
で、『クロノス』について一つ言っておきたいけど、
「これって、思いっきりギャグにしてもよかったんじゃないの?」
主人公の吹原くんが一生懸命すぎる。いや一生懸命なのはいいんだけど、一生懸命すぎるとかえって笑えてくる。
「ここまでやるあんたって、バカ?」
恋は人を盲目にしてしまうんだよ。思い出してみるとコミカルなシーンがたくさんあったし、幾度かは観客席から笑いが聞こえてたけど、全体を通して皆さんじ~っと息を呑んで舞台に釘付けって感じで、真面目に見てた印象があるな。ここで笑ってもいいんじゃない? ってシーンで笑い声が聞こえない時も結構あったし。
キャラクターについて言えば、主人公よりもむしろ彼を取り巻く人間の方に興味が湧いた。何度も過去へワープしてその度に失敗する主人公。最初は「バカなことやめろ!」と反対していた周りの人たちも、長い時が経つにつれてやがて彼に共感して、助けの手を差し伸べるようになる。タイムワープを続けてばっかりの主人公と、普通に人生送っている人達の間で、生きている時間のギャップが大きくなっていくんだけれど、主人公が若者の一途さで同じ失敗を何度も繰り返している間に、周りの人間が老成して達観しちゃったようになっていくのが、面白いと思った。
ラスト、主人公はタイムワープによるとんでもないペナルティーを背負いながらも、とりあえずハッピーエンドと呼べる結末を迎えるのだけど、欲を言えば私はその後を知りたい。主人公のその後の人生、どうなっちゃったの? どこで何して生きてるの?
茨城大学演劇研究会による『クロノス』を観劇。
【あらすじ】
物質を過去に送り出すことができる機械、クロノス・ジョウンター。
吹原は研究員として、この機械の開発に携わっている。
ある日、研究所の近くで火災が発生。死亡者の中には、吹原が密かに思いを寄せていた来美子の名前があった。
【感想】
SFじゃよくありがちなタイムワープ物。この設定見た時、私は以前に見た映画『バタフライ・エフェクト』を思い出した。恋人に待ち受ける悲惨な未来を変えようと、主人公が何度も過去にタイムワープするのだが、そのたびに未来が悪い方向へ進んでしまい、自分の人生もどんどんボロクソになっていく。映画のラストはハッピーエンドと言うにはほろ苦い結末で、「自分が大きな犠牲を払わなければ未来は変えられないのだ」と納得した。この『クロノス』のラストについても同じことがいえる。
で、『クロノス』について一つ言っておきたいけど、
「これって、思いっきりギャグにしてもよかったんじゃないの?」
主人公の吹原くんが一生懸命すぎる。いや一生懸命なのはいいんだけど、一生懸命すぎるとかえって笑えてくる。
「ここまでやるあんたって、バカ?」
恋は人を盲目にしてしまうんだよ。思い出してみるとコミカルなシーンがたくさんあったし、幾度かは観客席から笑いが聞こえてたけど、全体を通して皆さんじ~っと息を呑んで舞台に釘付けって感じで、真面目に見てた印象があるな。ここで笑ってもいいんじゃない? ってシーンで笑い声が聞こえない時も結構あったし。
キャラクターについて言えば、主人公よりもむしろ彼を取り巻く人間の方に興味が湧いた。何度も過去へワープしてその度に失敗する主人公。最初は「バカなことやめろ!」と反対していた周りの人たちも、長い時が経つにつれてやがて彼に共感して、助けの手を差し伸べるようになる。タイムワープを続けてばっかりの主人公と、普通に人生送っている人達の間で、生きている時間のギャップが大きくなっていくんだけれど、主人公が若者の一途さで同じ失敗を何度も繰り返している間に、周りの人間が老成して達観しちゃったようになっていくのが、面白いと思った。
ラスト、主人公はタイムワープによるとんでもないペナルティーを背負いながらも、とりあえずハッピーエンドと呼べる結末を迎えるのだけど、欲を言えば私はその後を知りたい。主人公のその後の人生、どうなっちゃったの? どこで何して生きてるの?
Posted by 岩崎綾之 at 12:19│Comments(0)
│演劇